「大宮人」
故郷をいづれの春か行きて見む
うらやましきは帰る雁がね
(ふる里をいつの春にか
見ることができるだろう
羨ましいのは
今帰って行く雁だ)
いつとなく大宮人の恋しきに
桜かざしし今日も来にけり
(いつと限らず
大宮人が恋しく思われるのに
桜をかざして遊んだその日が
またやって来た)
大宮人が恋しく思われるのに
桜をかざして遊んだその日が
またやって来た)
雲近く飛び交ふ鶴も空に見よ
我は春日の曇りなき身ぞ
(雲の近くを飛びかっている
鶴よ、雲上人よ、
はっきりと照覧あれ
わたしは春の日のように
いささかも疚しいところの
ない身です)
(源氏物語 須磨の巻より)
2✕6尺 パネル
2017年
第52回 兵庫県書道展 出品作品
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